獣医師が教える犬や猫の緊急事態|すぐに病院に連れて行くべき症状やサインとは?|埼玉県川口市-森田動物医療センター

  • HOME
  • ブログ
  • 獣医師が教える犬や猫の緊急事態|すぐに病院に連れて行くべき症状やサインとは?|埼玉県川口市-森田動物医療センター

「なんだかいつもと様子が違うような気がする」「病院に行くべきか、それとももう少し様子を見ても大丈夫なのか…」そんな迷いを、飼い主様なら一度は経験されたことがあるのではないでしょうか。

犬や猫は体の不調や異変を言葉で伝えられないうえに、我慢してしまうことがあります。だからこそ、日常生活の中で見せる小さなサインを見逃さないことが非常に重要です。

少しでも「様子がおかしい」と感じた時は、迷わず動物病院に相談しましょう。飼い主様のその一歩が、大切な家族である犬や猫の命を守るきっかけになります。

今回は犬や猫の緊急事の対応について、すぐに病院に連れて行くべき症状やサイン、受診のタイミングなどを解説します。

■目次
1.これは危険!今すぐ動物病院へ連れて行くべきサイン
2.動物別・年齢別の「危ないサイン」チェックリスト
3.動物病院を受診する目安
4.「いざ」に備える日常的な健康管理
5.まとめ|愛する犬や猫と長く幸せに暮らすために

 

これは危険!今すぐ動物病院へ連れて行くべきサイン

犬や猫は不調を隠す習性があるため、初期段階では気づきにくく、見過ごされがちです。そのため、以下のような症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診してください。

 

<呼吸がおかしい>

呼吸が速く浅い、息苦しそうにしている、口を開けて息をしているといった様子は、呼吸器の異常や重度のストレスのサインです。特に猫は呼吸困難を外から判断しにくいため、症状が見られた時点で既に危険な状態である可能性が高いです。

 

<意識・歩き方がおかしい>

フラフラして歩けない、突然倒れる、呼んでも反応がない、ぐったりして動かないといった症状は、神経系や循環器系の異常が疑われます。特に、けいれん発作や低血糖、心不全などは進行が早く、放置すると命に関わる危険もあります。

 

<嘔吐・下痢・食欲不振が続く>

犬や猫が一度だけ嘔吐したり、少し下痢をしたりすることは珍しくありませんが、子犬や子猫、高齢の犬や猫では体力がすぐに低下し、脱水や低血糖に陥ることがあります。さらに、食欲不振が丸一日以上続く場合も、内臓疾患や感染症、消化器トラブルなどが原因である可能性も考えられます。特に猫は長時間食べないことで肝リピドーシス(脂肪肝)を引き起こす恐れがあるため注意が必要です。

 

<出血や傷がある>

交通事故や高所からの落下、ケンカによる咬傷などは外傷が軽く見えても、骨折や内出血、内臓損傷を伴っている場合があります。見た目で大丈夫そうに見えても、体の中で深刻な損傷が進行している可能性があります。

 

<目に異常がある>

目が開かない、白く濁っている、赤く充血している、目やにが急に増えたなどの症状は、目の病気のサインであり、放置すると視力を失うリスクもあります。角膜潰瘍や緑内障などの疾患が隠れている場合もあるため、できるだけ早く治療を開始することが大切です。

 

犬や猫の目の異変のサインと予防のポイントについてより詳しく知りたい方はこちら
犬の目やにが増える原因と対処法についてより詳しく知りたい方はこちら
犬と猫の角膜ジストロフィーの症状や当院の事例についてより詳しく知りたい方はこちら
犬や猫の角膜潰瘍の原因や治療方法についてより詳しく知りたい方はこちら
犬や猫の緑内障の原因や当院の事例についてより詳しく知りたい方はこちら

 

<夏場に見られる危険サイン>

夏に犬や猫が、よだれを垂らしている、呼吸が荒い、ぐったりして体温が高いなどの様子が見られる場合は、熱中症の可能性があります。特にパグやフレンチ・ブルドッグなどの短頭種や高齢の犬猫は重症化しやすいため、すぐに応急処置を行い、動物病院を受診してください。

 

動物別・年齢別の「危ないサイン」チェックリスト

犬や猫の体の不調や異変には、以下のように種類や年齢によって現れやすいサインが異なります。少しでも当てはまる症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。

 

<犬に見られる緊急サイン>

犬に以下のような症状が見られる場合、心臓病や中毒、重度の痛みを示している可能性があります。

・咳を頻繁にする
・歯茎が白い
・急に震え出す
・突然攻撃的になる

特に大型犬で、腹部が膨らみ激しく嘔吐する様子が見られる場合、胃捻転の疑いがあるため注意が必要です。

 

 

<猫に見られる緊急サイン>

猫に以下のような症状が見られる場合、尿路閉塞の可能性があります。

・何度もトイレに行くのに尿が出ない
・急に隠れて出てこない
・トイレ以外の場所で排尿してしまう

特にオス猫は尿道が細いため、数時間のうちに腎不全を起こし命に関わることもあります。

 

<子犬・子猫に見られる緊急サイン>

子犬や子猫は免疫力が低く、わずかな体調不良でも重症化しやすいのが特徴です。以下のような症状が見られる場合は、すぐに病院で診てもらう必要があります。

・元気がない
・ミルクを飲まない
・体温が低い
・下痢や嘔吐が続く

 

 

<高齢の犬・猫に見られる緊急サイン>

高齢の犬や猫は以下のような変化があっても、「年のせいかな」と見過ごしてしまうことが少なくありません。

・元気がない
・散歩を嫌がる
・階段の上り下りをしなくなった

これらは心臓や腎臓、甲状腺などに異常が出ていることもあるため、小さな違和感も放置せずに受診を検討してください。

 

 

動物病院を受診する目安

どのような症状のときに受診を検討すべきか、迷うこともあるでしょう。比較的よく見られる症状の「受診の目安」は以下の通りです。

 

<食欲低下が続いている場合>

特に猫では、まったく食べない日が1日続いただけでも危険です。長時間の絶食は肝臓への負担が大きく、放っておくと回復に時間がかかることもあります。食べない状態が丸1日以上続く場合や、水分も取らないようであれば、すぐに動物病院を受診しましょう

 

 

<咳・鼻水が続く場合>

咳や鼻水など、いわゆる「風邪」のような症状でも、犬や猫では深刻な感染症やアレルギー反応の可能性があります。

1~2日で改善が見られない場合や症状が強くなる場合は、早めに受診してください。

 

<皮膚の異常が続く場合>

皮膚をかきむしる、脱毛が広がるといった症状がある場合は、外部寄生虫やホルモンの異常、免疫系の疾患も考えられます。

放置すると出血し、感染症を引き起こす可能性があるため、早めに受診してください。

 

<耳の異常が続いている場合>

耳をしきりに掻いたり、頭を振るしぐさが続いたりする場合は、外耳炎や耳ダニなどの耳の病気が疑われます。放置すると炎症が進行し、強い痛みや難聴を引き起こすこともあります。

耳のにおいや赤み、黒い耳垢などの異常が見られた場合は、できるだけ早めの受診をおすすめします。

 

 

<行動の変化が見られる場合>

急に足をかばうように歩く、触られるのを嫌がるなどの行動は、痛みや骨・関節の異常のサインです。

数時間様子を見ても改善しなかったり、症状が悪化していたりする場合は、すぐに受診してください。

 

 

<体重の変化が見られる場合>

急激な体重の減少や増加は、内分泌の異常(糖尿病や甲状腺機能亢進症など)、腫瘍、消化器疾患などのサインです。

特に体重が1週間で5%以上減った、または増えた場合は注意が必要です。

 

 

「いざ」に備える日常的な健康管理

犬や猫の異変に早く気づくためには、普段から以下をよく観察しておくことが大切です。

・歯の色や口臭に変化はないか
・食事の量や排泄の回数に変化はないか
・元気なときの行動パターンと違いはないか
・耳の中が清潔に保たれているか
・毛並みにツヤがあるか
・目がにごっていたり、充血したりしていないか

また、見た目には元気そうに見えても、実は体内で病気が進行しているケースもあります。そのため、日々の観察に加えて、年に1〜2回は動物病院で健康診断を受けることをおすすめします。特に高齢の犬や猫、持病のある子は、早期発見・早期治療のためにも積極的に健康診断を受けましょう。

 

子犬子猫の健康診断の内容や予防診療についてより詳しく知りたい方はこちら
犬や猫の健康診断のメリットや重要性についてより詳しく知りたい方はこちら

 

まとめ|愛する犬や猫と長く幸せに暮らすために

「これくらいで病院に行くのは大げさかもしれない」「もう少し様子を見ようかな」など、少しでも迷いがある場合は、動物病院に相談しましょう。軽い不調に見えても、実は深刻な病気の初期サインの可能性もあります。早めの受診が、愛犬・愛猫の命を守る大きな一歩です。
当院では、症状の重さにかかわらず、気になることがあればお気軽にご相談いただける体制を整えております。「受診すべきか迷っている」という段階でも遠慮なくご連絡ください。ご家族である犬や猫の健康を守るために、私たちが適切な判断と対応をサポートいたします。

 

⬇️🌟この記事が役に立ったら、ぜひ星をタップして教えてください!🌟⬇️

4 票, 平均: 4.00 / 54 票, 平均: 4.00 / 54 票, 平均: 4.00 / 54 票, 平均: 4.00 / 54 票, 平均: 4.00 / 5
これまでに4人が評価しています。
平均評価:4.00点
クリックありがとうございます!他の記事もぜひご覧ください!

 

■関連する記事はこちら

 

埼玉県川口市・さいたま市(浦和区)・越谷市を中心に診療を行う
森田動物医療センター
当院の診療案内はこちら


オンラインでの診療予約はこちらから 

※お電話でもご予約・ご相談を承っております

TEL:048-281-3166

お問い合わせ

ご質問・ご相談などございましたら、お電話にてお受けしています。

TEL:048-281-3166

TEL:048-281-3166