2023/01/30
子犬や子猫を迎えたら、健康状態の確認や病気の予防などやらなくてはならないことがいくつかあります。
しかし、犬猫の飼育に慣れていない方はどのようなことをしなくてはいけないのか、迷われることも多いかと思います。 今回は子犬や子猫を迎えた場合にまず動物病院で行うべき健康診断や予防診療について解説していきます。
子犬・子猫の健康診断について
子犬・子猫を迎え入れた際は、まずは自宅に慣れさせてあげましょう。
子犬や子猫を家に迎え入れてすぐの段階は、環境の変化からストレスを感じることが多かったり、免疫力が低いため、体調を崩しやすい時期といえます。
よって上記の理由から、子犬子猫が病気を患っていない場合、すぐに動物病院に連れていくことはあまりお勧めしません。
1〜2週間くらい新しい環境に慣れさせてから、一度動物病院で健康診断を受けるようにしましょう。
子犬・子猫の健康診断では、主に身体検査と糞便検査を行います。
健康診断-身体検査-
身体検査では体重や体格、目や耳、口、皮膚、関節などを確認します。
子犬や子猫では膝蓋骨脱臼や口蓋裂などの先天異常があったり、ミミダニやノミの寄生を受けていたりすることがよくあります。
これらが見つかった場合は治療や駆虫の相談もするといいでしょう。
健康診断-糞便検査-
子犬や子猫は最初から腸の中に寄生虫がいることがよくあります。
そのため、糞便検査も身体検査と同時に実施することをおすすめします。
動物病院に行く際に指先の第一関節くらいまでの量の新鮮な糞便を持参すると検査してもらうことができます。
子犬の予防診療について
子犬の予防診療では、混合ワクチンや狂犬病ワクチンの接種、ノミ・ダニ予防、フィラリア予防などが必要です。
混合ワクチン
犬に感染するいくつかの感染症を予防するためにワクチン接種が有効です。
混合ワクチンを接種することで発症や重症化を防ぐことができる病気の中には、ジステンパーウイルス感染症など重症化すると命の危険もあり、感染力が非常に強い感染症も含まれているので、愛犬の命を守るためにも接種をお勧めします。
また、混合ワクチンは何種類もあるため、獣医師と相談してどの種類にするか決めましょう。
子犬の場合は最初の年に2~4回程度のワクチン接種が勧められています。
狂犬病ワクチン
狂犬病は、いったん感染し発症すると致死率はほぼ100%という恐ろしい感染症です。
また、狂犬病ワクチンは狂犬病予防法により接種が義務付けられているワクチンで、年1回の接種が必要です。
ノミ・ダニ予防
ノミやマダニは皮膚のかゆみや炎症を引き起こします。
また、ノミ・ダニたちが数多くの感染症を媒介するため予防がとても大切です。
ノミ・ダニ予防薬の投与のタイミングは、1~3ヶ月に1回の投与がお勧めです。
薬の種類によって投与間隔は異なります。
また、ノミ・マダニは年中感染のリスクがあるので、一年を通しての予防を行うことをお勧めします。
フィラリア予防
フィラリア症は、蚊の吸血を介して動物に感染します。
動物の血管にフィラリアが寄生することで起こる病気です。
フィラリアは感染した動物の体内で成長して成虫になり、肺血管や心臓に寄生します。
成虫に寄生された動物では、循環障害によってさまざまな症状がみられ死に至ることもあります。
投薬では月1回投与するタイプの薬や1度の注射で1年間の予防が可能なタイプの薬などがあります。
なお、犬の症例が多いことで知られるフィラリア症ですが、犬と比較して稀ではあるものの、猫が感染、発症することもあります。
子猫の予防診療について
子猫では混合ワクチンの接種やノミ・ダニの予防が必要です。
混合ワクチン
犬の場合と同様に、猫の場合も混合ワクチンを接種することで、パルボウイルス感染症のような重篤化すると命の危険もある感染症の予防ができます。
初回は2~4回の接種が勧められており、いくつかの種類があるため獣医師と相談して決めましょう。
ノミ・ダニ予防薬
猫ではノミ・ダニによって媒介される病気も多いため予防が大切です。
1-3か月に1回、後頭部の皮膚に塗布するタイプの予防薬が一般的です。
まとめ
新しく迎えた子犬・子猫と長く楽しい時間を一緒に過ごすためにもわんちゃん・ねこちゃんが健康でいることが大切です。
そのためにもまずは健康診断や病気の予防を行いましょう。
病気の予防ではワクチンの接種やノミ・ダニの予防、フィラリア予防が必要です。
ワクチンの種類や投薬時期など様々ありますので病院に相談しながら、これらを適切に実施し、健康を保ってあげるようにしましょう。
愛犬愛猫の気になる症状があれば、当院へご相談ください。
埼玉県川口市・さいたま市(浦和区)・越谷市を中心に診療を行う
森田動物医療センター
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