2025/12/16
最近、愛犬や愛猫が「少し痩せてきたように感じる」「なんとなく元気がない」と心配になったことはありませんか?実は、こうした小さな変化の裏に、腎臓病や糖尿病といった重大な病気が隠れている可能性があります。
特に冬の季節は、飲水量が少なくなる傾向があります。飲水量が不足すると代謝や腎臓に負担がかかり、病気のリスクが高まることもあります。そのため、「少し食欲が落ちただけかな」「寒いから動きが鈍いのかも」と自己判断せず、少しでも気になる変化が見られたら早めに動物病院へ相談することが大切です。
今回は、犬や猫の冬に注意したい腎臓病・糖尿病のリスクについてご紹介します。

■目次
1.犬や猫がやせる原因とは?
2.冬に注意したい体の変化
3.腎臓病の初期サインと注意すべきポイント
4.糖尿病のサインと放置のリスク
5.健康診断で見逃さない!早期発見のメリット
6.まとめ
犬や猫がやせる原因とは?
犬や猫の体重が減る原因にはさまざまなものがあります。もちろん、加齢に伴う食欲や運動量の変化も要因のひとつですが、なかには病気によって体重が減少しているケースも多く見られます。
病気が背景にある体重減少は、代謝異常や臓器機能の低下が関係していることが多く、以下のような疾患を起こしている可能性があります。
・腎臓病
・糖尿病
・甲状腺機能亢進症(主に猫に見られる)
・消化器疾患(慢性腸炎や栄養吸収不良など)
これらの疾患は、一見すると元気そうに見える場合でも、その裏で病気が進行していることがあります。そのため、体重減少のような小さなサインを見逃さないことが大切です。
冬に注意したい体の変化
冬は犬や猫にとって、体にさまざまな変化が起こりやすい季節です。気温が下がると運動量が減るだけでなく、水を飲む量も少なくなりがちです。
飲水量が不足した状態が続くと、腎臓への負担が大きくなり、慢性腎臓病の進行を早めてしまうことがあります。また、尿の濃度が高くなることで膀胱結石ができやすくなるリスクも高まります。
実際に当院でも、寒い時期には体調を崩して来院される犬や猫が増加する傾向にあります。室内で過ごす時間が長くなる冬は、生活環境の変化に気づきにくく、病気の初期サインを見逃しやすい時期でもあります。
「冬だから少し痩せたのかも」と思ってしまいがちですが、こうした油断が病気の見逃しにつながる恐れがあるため、慎重な観察が求められます。
腎臓病の初期サインと注意すべきポイント
腎臓病は犬や猫どちらにも多く見られる病気で、年齢を問わず注意が必要です。初期には、以下のようなサインが見られることがあります。
・水をよく飲む(多飲)
・尿の量が増える(多尿)
・体重が減る
・食欲が落ちる
・なんとなく元気がない
腎臓は、一度機能が低下してしまうと元の状態に戻すことが難しい臓器です。そのため、早期の発見と適切な対応が何よりも大切です。
また、定期的な血液検査(BUN・CRE・SDMAなど)や尿検査を通じて、腎機能の異常を初期の段階で見つけることが可能です。「なんだか痩せたかもしれない」と感じたときこそ、腎臓病のサインかもしれないと考え、早めに検査を受けることをおすすめします。
糖尿病のサインと放置のリスク
糖尿病は、犬や猫に見られる代表的な内分泌疾患のひとつです。発症の背景には犬と猫で違いがありますが、どちらの場合も早期発見・早期治療が重要です。
糖尿病の主な症状は以下の通りです。
・食欲はあるのに体重が減る
・水をよく飲む
・尿の量が多い
・すぐに疲れる、元気がない
なお、糖尿病は犬では中高齢期に多く発症し、猫では肥満や運動不足、ストレスなども発症リスクに関わるとされています。
また、糖尿病を放置すると、犬では白内障をはじめ、猫では神経障害や感染症のリスクが高まるなど、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。
しかし、血糖値測定や尿検査を行うことで早期に異常を見つけることができます。とくに「食欲は変わらないのに痩せてきた」といった変化は、糖尿病のサインである可能性があるため、気づいた時点で一度健康診断を受けておくと安心です。
健康診断で見逃さない!早期発見のメリット
前述したとおり、腎臓病や糖尿病などは、初期の段階でははっきりした症状が出にくく、「普段通り元気に見えるから大丈夫」と判断してしまいがちです。しかし、こうした油断が病気の進行を見逃すきっかけになることがあります。
そのため、特に7歳以上のシニア期に入った犬や猫では、年に1〜2回の健康診断を受けることが重要です。また、健康診断主に以下のような内容を実施します。
・血液検査(腎臓・肝臓・血糖・電解質など)
・尿検査
・エコー検査
・体重や体型のチェック など
これらの検査を通して、目には見えない体の内側の変化を的確に把握することができます。
当院では、飼い主様が安心して健康管理を続けていただけるよう、季節に合わせた健康診断キャンペーンを実施しています。ぜひこの機会をご活用ください。
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▼犬と猫の健康診断の重要性についてより詳しく知りたい方はこちら
▼当院の心電図、血圧、レントゲン、エコー検査についてより詳しく知りたい方はこちら
▼当院の血液検査、尿検査、糞便検査についてより詳しく知りたい方はこちら
まとめ
犬や猫の体重が減ってきたと感じたとき、それは単なる一時的な変化ではなく、腎臓病や糖尿病といった重大な病気のサインである可能性があります。特に冬は水分摂取量が減りやすく、体調の変化に気づきにくい季節でもあるため、注意が必要です。
「なんとなく痩せた気がする」「最近、水をよく飲むようになったかも」などの小さな変化でも、動物病院を受診することが大切です。
当院では、眼科や歯科、鍼治療などに加えて、腎臓病や糖尿病などの内科疾患の早期発見・治療にも力を入れています。愛犬や愛猫が毎日を健やかに過ごせるよう、どんな小さなことでもご相談ください。飼い主様と一緒に、大切なご家族の健康をしっかりと支えてまいります。
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