2025/12/16
最近、愛犬や愛猫が「いつもより水を飲んでいる気がする」「トイレに行く回数が増えた」「前よりも体が痩せてきた気がする」そんな様子に気づいたことはありませんか？
こうした変化は「年齢のせいかな」と見過ごされてしまいがちですが、背景には、”ホルモンの異常（内分泌疾患）”が隠れていることがあります。
内分泌疾患は見た目ではわかりにくいため、飼い主様が気づけるサインはどうしても限られています。そのため、少しでも「いつもと様子が違う」と感じたら早めに動物病院へ相談することが大切です。
今回は犬や猫の内分泌疾患について、よく見られる代表的な病気や健康診断の重要性、当院の診療体制などをご紹介します。
■目次
1.内分泌疾患とは？
2.犬や猫でよく見られる内分泌疾患
3.放置するとどうなる？｜全身への負担と生活への影響
4.健康診断でできること｜早期発見のチャンスを逃さないために
5.森田動物医療センターの診療体制｜内分泌疾患にも幅広く対
6.まとめ
内分泌疾患とは？
内分泌疾患とは、ホルモンを分泌する臓器（甲状腺、副腎、膵臓など）に異常が起こることで、全身のバランスが崩れてしまう病気です。
ホルモンは、体温調節や代謝、食欲や免疫機能などをコントロールする非常に重要な働きをしています。ただし、分泌されるホルモンの量が多すぎたり少なすぎたりすると、以下のような症状が現れることがあります。
・水をたくさん飲むようになる
・尿の量が増える
・体重が急に増えたり減ったりする
・被毛のツヤがなくなる
・活発さがなくなる
ただし、これらの症状は一見すると加齢や体調のちょっとした変化にも見えるため、見た目だけで判断するのは難しいです。そのため、血液検査やホルモン検査などによる健康診断で、体の内側から異常をチェックすることがとても重要です。
犬や猫でよく見られる内分泌疾患
犬や猫に見られる内分泌疾患には、以下の代表的な病気があります。それぞれの病気で現れる症状を知っておくことで、早期の気づきにつながります。
＜犬に多い内分泌疾患＞
◆クッシング症候群（副腎皮質機能亢進症）
副腎から分泌されるホルモンが過剰になることで、全身に以下のような影響が出る病気です。
・水を大量に飲む
・尿の量が増える
・お腹が膨らんでくる
・左右対称の脱毛が見られる
▼犬のクッシング症候群の原因や治療の流れについてより詳しく知りたい方はこちら
◆甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンが不足し、体の代謝が低下することで、以下のような症状が見られる病気です。
・元気がなくなる
・皮膚が乾燥する
・寒がるようになる
・体重の増加
▼犬の甲状腺機能低下症の症状や治療方法についてより詳しく知りたい方はこちら
◆糖尿病
インスリンの不足や働きの低下により血糖値が上がり、以下のような症状が見られます。
・水をよく飲む
・トイレの回数が増える
・食欲はあるのに体重が減る
・食欲にムラが出る
＜猫に多い内分泌疾患＞
◆甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、代謝が異常に高まることで以下のような症状が見られます。
・体重の減少
・食欲は旺盛なのに体重が減る
・落ち着きがなくなる
・心拍数が速くなる
▼猫の甲状腺機能亢進症の症状や治療方法についてより詳しく知りたい方はこちら
◆糖尿病
インスリンの不足や働きの低下により血糖値が上がり、以下のような症状が見られます。
・水をよく飲む
・トイレの回数が増える
・食欲はあるのに体重が減る
・食欲にムラが出る
・毛づやが悪くなる
これらの病気はいずれも早期に発見することで、治療やコントロールが可能です。症状が軽いうちに適切な治療を始められれば、犬や猫にかかる負担を最小限に抑えることができます。
放置するとどうなる？｜全身への負担と生活への影響
ホルモンの異常による内分泌疾患は、体の一部だけの問題ではありません。ホルモンは血液によって全身に影響を及ぼすため、放置すると以下のようなリスクが高まります。
・腎臓や肝臓、心臓といった重要な臓器への影響
・免疫力の低下により、感染症にかかりやすくなる
・病気が進行することで、体全体の状態が悪化する
・合併症を引き起こす可能性がある
また、進行すると治療の選択肢が限られてしまい、生活の質（QOL）に大きく影響することがあります。
ただし、必要以上に不安になる必要はありません。早期に発見し、治療を始めることで、穏やかな時間を長く保つことができます。そのため、日々のちょっとした変化を見逃さず、気づいたらすぐに動物病院を受診することが大切です。
健康診断でできること｜早期発見のチャンスを逃さないために
内分泌疾患の特徴は、外見だけでは判断が難しいという点です。そのため、定期的な健康診断で体の内側を丁寧にチェックすることが、病気の早期発見・予防には欠かせません。
健康診断では、以下のような検査を行うことが可能です。
・血液検査（腎臓や肝臓の機能、血糖値、炎症の有無などを確認）
・尿検査（糖の有無や腎機能をチェック）
・ホルモン測定（甲状腺、副腎などのホルモンバランスを測定）
・エコー検査（内臓の状態を画像で確認）
また、シニア期（7歳以上）の犬や猫は、年に1〜2回の定期的な健康診断を習慣化することで、病気の予防や早期発見につながります。
当院の2025年【秋・冬の健康診断（血液検査）キャンペーン】の詳細はこちらから
▼犬と猫の健康診断の重要性についてより詳しく知りたい方はこちら
▼当院の心電図、血圧、レントゲン、エコー検査についてより詳しく知りたい方はこちら
▼当院の血液検査、尿検査、糞便検査についてより詳しく知りたい方はこちら
森田動物医療センターの診療体制｜内分泌疾患にも幅広く対応
埼玉県川口市にある森田動物医療センターでは、内分泌疾患をはじめとする内科全般の診療に対応しています。経験豊富な獣医師が、血液検査や画像診断などの情報をもとに、正確な診断とその子に合わせた治療方針を提案しています。
また当院では、以下のような専門性の高い医療も行っています。
・眼科診療
・歯科治療
・鍼治療
・凍結治療
・光線免疫療法
・光線温熱療法外来 など
これにより、全身の状態を総合的に管理・サポートできる体制を整えています。
「この程度で病院に行っていいのかな？」と思うような小さな違和感でも構いません。気になるサインがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ
「水をたくさん飲む」「トイレの回数が増えた」「体重が減ってきた」といった何気ない変化は、なにかしらの異変が起きているサインかもしれません。中には内分泌疾患と関係しているケースもあり、放っておくと全身に影響が及ぶ可能性があります。
しかし、早い段階で気づき、検査を受けることで、病気の進行を抑え、穏やかに過ごせる時間を守ることができます。
また、当院は予防から治療まで一貫したケアを行い、犬や猫が健やかに暮らせるようサポートしています。「少し気になる症状がある」「久しぶりに健康チェックをしてみたい」と感じたときは、ぜひ当院の健康診断をご活用ください。
飼い主様の“気づき”が、大切な家族の健康を守る最初の一歩となります。
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埼玉県川口市・さいたま市（浦和区）・越谷市を中心に診療を行う
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