犬のエナメル質形成不全|歯がボロボロに!? │埼玉県川口市-森田動物医療センター

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「エナメル質」とは、歯茎から出ている歯の表面を覆っている硬い組織のことを指します。
子犬の時期にウイルスの感染や栄養障害、外傷などが起こることでエナメル質の形成が不十分になってしまうことを「エナメル質形成不全」と言い、歯が折れやすくなる、歯垢や歯石が付きやすく歯周病になるなどの問題が引き起こされるおそれがあります。

今回は犬のエナメル質形成不全について、考えられる原因や治療方法についてご紹介します。

■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ

原因

犬のエナメル質の形成は、生後1~4ヶ月齢の頃と言われています。この時期に以下のような疾患や状況にさらされた場合には、どんな犬種でもエナメル質形成不全が引き起こされる可能性があります。

・ジステンパーウイルスやパルボウイルスなどのウイルス感染症
・発熱性疾患
・栄養障害
・歯への外傷

また、これらの他に遺伝的な原因もあると言われており、スタンダード・プードルやイタリアン・グレーハウンド、秋田犬などは好発犬種です。

 

症状

エナメル質形成不全では、以下のような症状が見られます。

・歯の表面が欠けていたり、でこぼこしたりしている
・歯の色が黄色や茶色に変色している(見た目が悪くなる)
・歯がもろく、すり減ったり折れたりする
・歯垢や歯石が付きやすく、歯周病になる

さらに、通常はエナメル質で覆われている象牙質が露出すると知覚過敏が見られることもあります。

 

診断方法

診断は、視診や歯科用の器具を使った触診でエナメル質の硬さや欠損の有無、歯の変色の度合い、歯石の付着、知覚過敏の有無などを確認します。

また、エナメル質形成不全では歯根の形成不全を併発したり、歯周病によって根尖膿瘍が引き起こされていることもあるため、レントゲン検査で歯根の状態を確認します。

 

治療方法

エナメル質形成不全の治療では、一般的にエナメル質が欠損している部分にコンポジットレジンという歯科用充填剤を被せて歯の形を修復します。

また、歯石が付着している場合には歯石除去を、歯周病がある場合にはそれに対する治療を行うなど、引き起こされている問題に対しての治療も並行して行います。

 

予防法やご家庭での注意点

エナメル質形成不全を予防するためには、子犬の時期の生活環境をしっかり整えることが大切です。
具体的には、ウイルスの感染を防ぐためにワクチン接種を正しく行うことや、栄養が偏らないよう成長段階に合わせたドッグフードを与えること、ケガには十分注意することなどです。

また、もしも愛犬にエナメル質形成不全がある場合には、歯周病や根尖膿瘍の併発を予防するために毎日の口腔ケアを行うとともに、歯がもろく折れやすいため硬い物をかじらないよう注意しましょう。

 

まとめ

エナメル質形成不全は、子犬期の食事や病気の予防が大きく関係します。
発症すると歯の黄ばみや表面がでこぼこしてしまうだけでなく、歯周病になりやすくなるとともに根尖膿瘍を引き起こす恐れもあります。

子犬の時期の生活環境を整えるとともに、日頃から愛犬の歯の状態や口腔内のチェックを習慣的に行い、もしも気になる様子があれば早めに動物病院を受診しましょう。


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