2024/01/29
犬や猫の永久歯は、人間と同様に一度抜くと再び生えることはありません。そのため、抜歯にはそれなりの理由や必要性があります。しかし、「歯を抜く」と聞くとどうしても不安な気持ちになりますよね。
そこで今回は犬や猫の抜歯が必要な理由や、抜歯後の注意点についてご紹介します。
■目次
1.抜歯をしても大丈夫?
2.抜歯が必要な病気
3.治療方法
4.病気の予防法やご家庭での注意点
5.まとめ
抜歯をしても大丈夫?
抜歯をするとご飯が食べられなくなるのでは、と心配になる飼い主様も多いのですが、犬や猫はほとんど咀嚼をせず、丸呑みするため、抜歯をしてもご飯を食べることができます。
しかし、抜歯後にあまり食欲がない子や、歯がほぼ残っていない子には、水でふやかしたドライフードやウェットフードを与えると良いでしょう。
当然ですがむやみやたらに抜歯を行うことは無く、抜歯を行う際は治療のための最善の選択として進めていきます。
抜歯が必要な病気
抜歯が必要になるケースで最も多いのは重度の歯周病です。歯周病が進行すると感染が顎の骨に到達し、あごが溶けたり骨折したりすることもあるため、そうなる前に抜歯を行い予防することが大切です。
外歯瘻(がいしろう)など、歯根での細菌感染などにより目の下に穴が開いている場合は原因となる歯を抜歯する必要があります。
更に、歯の破折や猫の口内炎でも抜歯の対象となることがあります。
他にも、若齢の子は乳歯遺残による乳歯抜歯が多いです。歯ならびの悪さを主訴に来院され、乳歯遺残が発覚するケースもあるので、歯の生え方に気になる点がある場合は一度動物病院で相談しましょう。
治療方法
抜歯は全身麻酔下で行われます。
その前に、隣接した歯との間にすでに歯石がついている場合は、スケーリングにより歯石を取り除き、歯全体の様子をよく確認して、抜歯が適用になるか最終判断をします。
臼歯などの大きめの歯は先に専用の器具で歯を2〜3分割し、抜きやすくしてから抜歯を行います。
犬歯では、歯肉を切開し、抜歯後にその歯肉で抜歯した部分をふさぐ方法をとります。
また、抜歯後は抗生剤を処方します。
病気の予防法やご家庭での注意点
子犬や子猫の頃から歯みがきに慣れさせ、歯石が溜まらないように心がけることが重要です。
また、食欲の低下や固い食べ物を嫌がる、口を触らせてくれないなどの変化があるときは、歯周病のサインかもしれません。
飼い主様は愛犬愛猫の様子を確認しながら早期治療により重症化を防ぎましょう。
まとめ
抜歯により痛みや苦痛が取り除かれれば、食欲がでて元気になったり、機嫌がよくなったりと良い変化がみられることが多いです。また、口臭やよだれも減り、飼い主様も快適に過ごせるようになります。
健康な歯を維持できるように飼い主様は、若いうちからしっかりとケアを行うようにしてください。
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