犬と猫の眼内腫瘍について┃気がつきにくい目の中の腫瘍│埼玉県川口市-森田動物医療センター

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眼内腫瘍とは目の中にできる腫瘍のことで、メラノーマ、リンパ腫、毛様体腺癌などがあります。目の中は普段見えないため気がつきにくく、角膜潰瘍や緑内障の原因が実は腫瘍だったというケースも少なくありません。大きくなった腫瘍が眼球内を圧迫すると激しい疼痛や眼球の変形など重篤な症状を起こし、眼球摘出が必要になることもあります。

この記事では、犬や猫の眼内腫瘍について詳細に解説していきます。

■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法や注意点
6.まとめ

原因

犬も猫も眼内腫瘍ができる明確な原因は不明ですが、遺伝的要因や紫外線への露出、炎症など、様々な要素が関係していると考えられています。

また猫では、猫白血病ウイルス(FeLV)がリンパ腫の発生リスクを上げることや眼球の外傷が眼肉腫の発生リスクとなることが分かっています。

 

症状

症状は多岐にわたりますが、以下は眼内腫瘍の一般的な症状です。

まぶしそうにする(羞明)
白目が赤く充血する
目やに、涙がでる
眼圧があがり目が突出してくる
特に猫では、白目と黒目の境目や黒目の周り(虹彩)の色が変わる

進行に伴い、二次的に緑内障やぶどう膜炎を併発することも多くあります。

緑内障について詳しくはこちらをご覧ください

 

診断方法

視診のほかに細隙灯検査(スリットランプ検査)、眼圧検査、眼底検査、エコー検査などを行い眼球の状態を詳しく調べます。
また血液検査で全身状態を把握し、眼疾患以外に内科的疾患が隠れていないかを確認することも大切です。転移があるかの確認にはレントゲンやCTなどの画像診断を用います。

また摘出した腫瘍の病理検査(専門機関への外注が必要)を行い、その後の治療方針を決定します

 

治療方法

犬の眼内腫瘍の多くは虹彩メラノーマです
犬の虹彩メラノーマは、他の部位のメラノーマに比べ転移が少ないため、進行が穏やかであれば経過を注意深く観察しながら眼球を温存できることもあります。しかし腫瘍がどんどん大きくなり眼病変が重症化する場合は、眼球摘出が必要です。また、リンパ腫や腺癌などの悪性腫瘍では、眼球摘出後に抗がん剤治療を行うことがあります。

一方、猫の眼内腫瘍はほとんどが悪性で肺や肝臓などへの転移が多く見られます。そのため早期の眼球摘出が推奨されます。
眼球摘出の際は全身麻酔が必要なため、術前に血液検査や胸部X線撮影による肺や心臓の評価を行います。

 

予防法や注意点

猫の場合、猫白血病ウイルス(FeLV)によるリンパ腫での発生であればワクチンで予防できますが、その他の眼内腫瘍の予防法は残念ながらありません

愛犬愛猫の目に異常を感じたら出来るだけ早く動物病院を受診しましょう。

定期的な目のケアを行うことで、目の病気の早期発見につながることもあるでしょう。

犬や猫の正しい目のケア方法について

 

まとめ

犬も猫も眼内腫瘍の治療はできるだけ早期に始めることが大切です。早期に発見し適切な治療を行うことで、ペットの生活の質を保ち、視力を保護することが可能になる場合もあります。定期的な健康診断を行い、眼内腫瘍に限らず全般的な健康管理を怠らないことが大切です。

健康診断の大切さについて

 

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