猫の吸収病巣について~抜歯をしないスーパーライザーを用いた療法が可能~埼玉県川口市-森田動物医療センター

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吸収病巣とは、破歯細胞という歯を溶かす細胞が活性化することによって、歯が顎の骨に吸収されてしまう疾患です。加齢とともに罹患率は増加し、3歳以上の猫の半数以上がかかっているという報告があります。歯の内部で病気が進むため気づかれにくく、痛みや違和感から食事が取れなくなり、ようやく来院されるケースが多いです。

この記事では、猫の吸収病巣について多くの方に知っていただくため、症状や治療法について解説していきます。

■目次
1.吸収病巣の原因
2.吸収病巣の症状
3.吸収病巣の診断方法
4.吸収病巣の治療方法
5.吸収病巣の予防法や注意点
6.まとめ

吸収病巣の原因

破歯細胞は本来、乳歯が永久歯に抜け変わる際に、乳歯の歯根を溶かし抜けやすくする働きがあります。
この破歯細胞が永久歯に働いてしまうことで、吸収病巣が起こります。永久歯に働く原因は解明されていませんが、免疫異常やカルシウム代謝の異常、歯肉炎などが関係しているとされています。


吸収病巣の症状

痛みに伴う食欲の低下やよだれの増加、歯ぎしり、食べ方の異常(嚙み方がおかしい、食事のペースが遅くなるなど)、口臭などがみられます。

また歯肉の腫れや出血、歯の付け根付近に小さな穴が開くことがあり、吸収が進むと歯が脆くなり突然折れることもあります。


吸収病巣の診断方法

触診の他、レントゲン検査で歯が溶けていることを確認します。
レントゲン検査では、通常歯の内部は白く写りますが、溶けている部分は黒く抜けて写ります。


吸収病巣の治療方法

吸収病巣に有効な薬はなく、鎮痛薬や抗生物質で一時的に症状が緩和されても、罹患歯がある限り再び痛みが発生します。そのため、全身麻酔下での『抜歯』が第一選択になります。

また、歯冠という歯の見えている部分を削る処置が行われることもありますが、これも一時的な対策であり、長期的には抜歯が必要になることが多いです。

しかし、抜歯が第一選択とされていましたが、近年ではスーパーライザーを用いた近赤外線療法が高い治療効果を期待できます。
スーパーライザーは麻酔が不要で猫への負担が少なく、疼痛緩和や炎症の抑制ができます。これにより薬物(痛み止めや抗炎症剤)の使用量・頻度を減らす効果も期待できます。

当院でも、スーパーライザーを用いた近赤外線療法を取り入れております。ご興味やご質問がございましたら、お気軽に獣医師にお尋ねください。
詳しくはこちらをご覧ください


吸収病巣の予防法や注意点

現在、吸収病巣に有効な予防方法は残念ながらありません。
しかし、日頃のホームケアで口腔内をできるだけ清潔に保ち、歯周病や口内炎など歯の病気のリスクを低減させることは可能です。

また、動物病院での定期的な健診を行い、歯の健康状態をチェックしてもらうことが重要です。

正しい歯のケア方法についてはこちら
歯周病についてはこちら


まとめ

吸収病巣は口内炎や歯周病との鑑別が難しく、気がついたときには病気が進行してしまっているケースが多いです。
歯の痛みは食事が取りにくくなるだけでなく、愛猫にとって大きなストレスとなり、QOL(生活の質)を著しく下げる要因となってしまいます。
日頃からペットの様子をよく観察し、気になる症状があれば早めに動物病院で受診しましょう。


埼玉県川口市・さいたま市(浦和区)・越谷市を中心に診療を行う
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