2026/04/14
季節の変わり目になると、犬の皮膚トラブルが目立ちやすくなります。「しっかり薬を飲んでいるのに、またかゆがっている」「両耳とも外耳炎を何度も繰り返している」と、不安に感じている飼い主様も多いのではないでしょうか。
このような場合、単なる一時的な皮膚トラブルではなく、体質に関わる病気が隠れている可能性があります。なかでも、特に多いのが「アトピー性皮膚炎」や「食物アレルギー」です。
これらは、見た目の症状が似ていても原因は異なるため、適切に見極めながら治療を進めていくことが大切です。
今回は犬のアトピー性皮膚炎と食物アレルギーについて、診断や治療方法、ご家庭でのケアの重要性などをご紹介します。

■目次
1.犬のアトピー性皮膚炎とは?
2.犬の食物アレルギーとは?|アトピーとの違い
3.診断の流れ|一つの検査だけで決めない
4.治療の選択肢|新薬も含めたオーダーメイド治療
5.ご家庭でできるサポート|再発を防ぐために
6.まとめ
犬のアトピー性皮膚炎とは?
犬のアトピー性皮膚炎は、ダニや花粉、ハウスダストなどの環境中のアレルゲンに反応する体質的な疾患です。
主な症状として、以下のような変化が表れることがあります。
・顔まわりや目の周囲のかゆみ
・足先やお腹をなめたり引っかいたりする行動
・耳の赤みや外耳炎の繰り返し
・脱毛や皮膚の黒ずみ
特に両耳の外耳炎を繰り返す場合は、耳そのものの問題だけでなく、体質的なアレルギーが関係している可能性も考えられます。
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また、若い頃から症状が現れ始め、はじめは季節ごとに悪化していたものが、次第に一年を通して続くようになるケースも少なくありません。このように、時間の経過とともに症状の出方が変化していく点も、この病気の特徴のひとつです。
そのため、単に一時的な皮膚トラブルとして捉えるのではなく、長期的な視点で向き合っていくことが大切です。なお、この病気は「完治を目指す」というよりも、「症状をコントロールしながら生活の質を保つ」ことを目標とします。その子に合った治療やケアを見つけながら、無理のない形で付き合っていくことが重要です。
▼犬のアトピー性皮膚炎についてより詳しく知りたい方はこちら
犬の食物アレルギーとは?|アトピーとの違い
犬の食物アレルギーは、特定の食材に対して免疫が過剰に反応することで起こります。
アトピー性皮膚炎との違いとして、季節に関係なく症状が続く点が挙げられます。また、皮膚のかゆみだけでなく、下痢や軟便などの消化器症状が見られる場合もあります。
また、診断には「除去食試験」が重要です。これは、アレルギーの原因となる可能性が低い食事に一定期間切り替え、症状の変化を確認していく方法です。途中で別の食材を与えてしまうと正確な判断が難しくなるため、継続的な管理が必要になります。
なお、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーはどちらか一方ではなく、両方が関係しているケースもあります。そのため、原因を一つに絞り込むのではなく、複数の可能性を考えながら進めていくことが重要です。
診断の流れ|一つの検査だけで決めない
アレルギー性の皮膚疾患は、ひとつの検査だけで診断が確定するものではありません。そのため、いくつかの情報を丁寧に積み重ねながら、総合的に判断していくことが大切です。
まずは、発症した時期や症状が現れている部位、普段の食事内容や生活環境などを詳しく確認します。こうした情報をもとに、ノミやダニ、真菌感染、膿皮症といった、似た症状を示すほかの疾患の可能性を一つひとつ除外していきます。
さらに必要に応じて、血液検査やアレルゲン検査を行ったり、食事内容を見直したりしながら、原因を絞り込んでいきます。
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なお、「長く治療を続けているのに改善しない」と感じている場合でも、診断や治療方針を見直すことで、症状が落ち着いてくるケースもあります。気になる変化がある際は、動物病院に相談することをおすすめします。
治療の選択肢|新薬も含めたオーダーメイド治療
犬のアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの治療は、ひとつの方法だけで完結するものではありません。症状の出方や体質、生活環境によって適した対応が異なるため、いくつかの方法を組み合わせながら進めていくことが大切です。
これまでの治療では、ステロイドやかゆみを抑える内服薬、抗体製剤などが中心に用いられてきました。しかし、現在ではこれらに加えて新しいタイプの内服薬も選択肢に含まれるようになり、よりかゆみをコントロールしやすくなるケースもみられます。
さらに、スキンケアを取り入れたり、食事療法を見直したりすることで、皮膚の状態を安定させやすくなることもあります。このように複数のアプローチを組み合わせることで、無理のない形で症状のコントロールを目指します。
なお、新薬については有用性が期待される一方で、長期的な使用における影響や副作用について慎重に考える必要があります。そのため、当院では使用を検討する際にはメリットだけでなく注意点も丁寧にご説明し、定期的に体調を確認しながら進めていきます。
また、「これさえ使えば治る」といった特効薬はなく、その子の体質や生活環境によって適した方法は異なります。だからこそ、状態を見ながら調整したり、ご自宅でのケアを取り入れたりしながら、その子にとって無理のない治療方法を一緒に見つけていくことが大切です。
ご家庭でできるサポート|再発を防ぐために
治療とあわせて、ご家庭でのケアも重要な役割を担います。
日常生活の中で、以下のような工夫を取り入れることで、症状の悪化を防ぎやすくなります。
・こまめに掃除をしたり寝具を清潔に保ったりする
・定期的にシャンプーを行ったり保湿ケアを取り入れたりする
・食事内容を見直したり動物病院で決められたフードを継続したりする
・落ち着いた環境を整えたりストレスを軽減したりする
また、症状が軽いうちに受診することで、悪化を防ぎやすくなります。日々の変化に気づき、早めに対応する姿勢が大切です。
まとめ
犬のアトピー性皮膚炎や食物アレルギーは、長期的に向き合っていく必要のある病気です。
新薬の登場によって治療の選択肢は広がっていますが、その一方で、それぞれの特徴や注意点を理解しながら慎重に選ぶことが重要です。また、外耳炎を繰り返す場合には、背景にある体質にも目を向ける必要があります。
「今の治療で本当に良いのか」「他にも方法があるのではないか」と悩まれている飼い主様もいらっしゃるかと思います。
当院では、その子の体質や生活環境、ご家族のご希望に寄り添いながら、無理のないオーダーメイドの治療をご提案しています。治療に迷われている場合は、どうぞお気軽にご相談ください。
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埼玉県川口市・さいたま市(浦和区)・越谷市を中心に診療を行う
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