ネコちゃんが何度もトイレに入る【特発性膀胱炎の場合】

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急に愛猫が一日に何回もトイレに入っては、少量のおしっこを繰り返すことがあります。他にも普段トイレを失敗しないのに、トイレ以外で排泄することがあります。このような症状は、動物病院に受診するサインになります。

 

トイレに何度も入る症状からは、砂や石のためおしっこがでにくくなっている場合や、膀胱炎を起こしているため痛みが強く排尿がうまくできないことがあります。今回は、膀胱炎の中でも発生の多い「特発性膀胱炎」についてお話します。

 

ネコちゃんが何度もトイレに入る【特発性膀胱炎の場合】

 

■目次
1.特発性膀胱炎とは?
2.特発性膀胱炎の原因は?
3.特発性膀胱炎の診断は?
4.特発性膀胱炎の治療は?
5.まとめ

 

特発性膀胱炎とは?

膀胱炎などの下部尿路疾患の症状には、頻尿・血尿・排尿痛・トイレの失敗・二次的な尿道閉塞があります。特発性膀胱炎は、猫の下部尿路疾患において発生頻度が高く一般的です。

 

<下部尿路疾患の発生率>

・特発性膀胱炎:55%
・尿路感染症:18.9%
・尿道閉塞:10.3%
・尿石症:7%
・新生物:3.6%
・神経障害:3%
・尿道閉塞を伴わない重度のストラバイト結石:2%

 

特発性膀胱炎の原因は?

原因は膀胱だけの問題ではなく、外的要因と内的要因に分けられます。

 

<外的要因>

猫を取り巻く環境のことです。例えば、

 

・多頭飼育で相性の悪い子がいる
・食事の種類がドライフード
・トイレの数が少ない
・トイレが気にいらない
・近くで工事などをしていて、普段ない揺れや音がある

 

といったことが挙げられます。

 

<内的要因>

膀胱粘膜のバリア機構の異常やホルモン、交感神経の乱れが関係していると考えられています。

 

特発性膀胱炎の診断は?

どんな年齢・品種・性別の猫においても、特発性膀胱炎を発症する可能性はあります。

 

また、この検査をすれば診断できるという特別な検査もないため、除外診断が大切になります。そのため、問診・身体検査・神経学的検査・尿検査・レントゲンや腹部超音波検査などの画像検査により、他の疾患がないかを確認することが重要になります。

 

特発性膀胱炎の治療は?

大部分の猫は、治療の有無に関係なく数日~数週で症状が自然に改善します。しかしその間、痛みが強いため生活の質が著しく低下するため、鎮痛などの治療が大切になります。また、症状が改善した後も50%で再発を認め、一部の猫で症状がずっと続くことがあります。さらに雄猫では、炎症から二次的な尿道閉塞を引き起こすことがあります。

 

特発性膀胱炎の原因は外的要因と内的要因に分かれるため、外的要因に対するアプローチ(多面的な環境改善)も大切になります。外的要因へのアプローチには、以下のものがあります。

 

<①食事の与え方>

食事の種類をドライフードからウエットフードに変更することで、飲水量を増やすことができます。また、療法食の中には下部尿路疾患用の食事もあるため、変更を検討するのも一つです。

 

猫は本来、狩りをして生活する動物でした。そのため、キャットフードを少しずつ家の中の色々な場所に置いて探しながら食べられるようにしたり、転がすとドライフードが数粒出るおもちゃなどを用いたりして、楽しんで食事することも大切です。

 

<②飲水量を増やす>

同じ成分のウエットフードとドライフードを食べ続けた時、ウエットフードのほうが特発性膀胱炎の症状が明らかに減少したという研究があります。このことから、水分摂取量の増加は膀胱炎に有効と考えられ、飲水量を増やすことが大切です。飲水量を増やす方法には、

 

・新鮮なお水を飲める環境を作る
・飲水用の器を広いタイプにする
・トイレの近くに器を置かない

 

など様々あります。

 

<③トイレの改善>

トイレに関しても好みのある猫さんが多く、好みでないとトイレを我慢してしまい、膀胱炎につながるパターンがあります。

 

・トイレの数は、猫の数+1つ以上用意する
・サイズは体長の1.5倍あるものにする
・トイレは静かな所に設置する
・猫の好みに合わせて砂の種類を変える
・砂は、トイレの底が見えないようにたくさん敷き詰める

 

理想的なトイレの場合、猫は排泄前に砂をかき、排泄後は排泄物に砂をかけた後、ゆっくりと立ち去ります。

 

<④猫が過ごす空間>

・静かに猫が隠れられる場所を作る
・キャットタワーなど、上から安心して周囲を見下ろせる場所を作る
・家族の生活サイクルをできるだけ一定にする

 

<⑤ストレスを減らす>

特発性膀胱炎のリスクファクターの一つに、猫の神経質な性格があります。そのため、不安やストレスを減らすサプリメントを用いるのも選択肢になります。サプリメントを用いても変化がない場合は、お薬を用いることがあります。

 

まとめ

特発性膀胱炎は、遭遇する頻度の高い下部尿路疾患の一つです。しかし、似た症状の中に尿道閉塞があるため、鑑別が重要です。

 

特発性膀胱炎は痛みが強く、繰り返すことがあるため治療が重要になります。また治療も、痛みを軽減させる治療以外に多面的な環境改善が必要になります。日常の中の小さな変化に気づいたり、違和感がある段階で相談したりすることも大切です。

 

当院では、日本獣医腎泌尿器学会認定医がそれぞれの状態に合わせて、検査や治療方法をご提案しています。気になる症状が見られた場合は、お気軽にご相談ください。

 

 

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