2026/03/06
「最近、愛猫が少し痩せた気がする」「抱っこすると、なんとなく軽い」こうした違和感は、毎日そばで見守っている飼い主様だからこそ気づける大切な変化です。
しかし、愛猫が元気に動いていたり、普段どおり食事をしていたりすると「もう少し様子を見ても大丈夫だろう」と考えてしまうこともあるでしょう。しかし、猫の体重減少は体の中で何らかの異常が起きているサインの可能性があります。
特に重要なのは「食欲不振があるのか」「食欲はあるのに痩せているのか」という点です。この違いによって、疑われる病気は大きく変わります。
そこで今回は、猫の食欲はあるのに体重が減るときに疑いたい病気や、検査と治療方法などについてご紹介します。

■目次
1.猫の体重減少は「食欲の有無」でまず二つに分けて考える
2.【食欲はある】のに痩せる場合に疑う病気
3.【食欲がない】ために痩せる場合に疑う病気
4.体重測定とおうちでのモニタリング
5.体重減少がみられたときの検査と治療の考え方
6.まとめ
猫の体重減少は「食欲の有無」でまず二つに分けて考える
愛猫が痩せてきたとき、最初に確認していただきたいのが食欲の有無です。
体重減少は大きく分けて、以下の二つのパターンに整理できます。
・食欲はあるのに痩せる(代謝性疾患など)
・食欲がなく、食べられずに痩せる(器質的疾患など)
この切り分けが、早期発見への第一歩です。また、見た目だけで判断せず、食事量や飲水量、トイレの回数などもあわせて観察することが大切です。
【食欲はある】のに痩せる場合に疑う病気
しっかり食事をしているのに体重が減る場合、体の中で何らかの異常が起きている可能性があります。一見元気そうに見えても、以下のような病気が隠れていることがあるため注意が必要です。
<糖尿病>
猫の糖尿病では、食欲が増える一方で体重が減少することがあります。さらに、多飲多尿がみられたり、毛づやが悪くなったりすることもあります。
「よく食べるのに痩せてきた」「水をたくさん飲む」「トイレの回数が増えた」これらが重なっている場合は、早めの血液検査が重要です。
糖尿病は、血糖値の測定や尿検査によって診断し、インスリン治療や食事管理でコントロールしていきます。早期に発見できれば、生活の質を保ちながら管理できるケースも少なくありません。
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<甲状腺機能亢進症>
中高齢の猫に多く見られるホルモンの病気です。甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで代謝が高まり、よく食べて活動的なのに体重が減っていきます。
「最近やけに活発になった」「落ち着きがない」「鳴き声が大きくなった」といった変化も見られることがあります。
甲状腺機能亢進症は、血液検査でホルモン値を測定し、内服治療や食事療法でコントロールします。放置すると心臓や腎臓に負担がかかるため、早期発見が大切です。
<腫瘍性疾患>
腫瘍がある場合、体内で栄養が消費されやすくなり、食欲が保たれていても体重が減ることがあります。特に高齢猫では、体重減少が最初のサインになることもあります。
血液検査や超音波検査などを組み合わせて、全身の状態を確認することが重要です。
【食欲がない】ために痩せる場合に疑う病気
一方で、食欲不振があり、その結果として体重が減っている場合は「食べたいのに食べられない」背景が隠れていることが多いです。
<口腔内疾患(歯のトラブル)>
歯周病や歯の破折、口内炎などがあると、食事の際に痛みを感じます。
フードを口に入れても落としてしまったり、食べるスピードが遅くなったりすることがあります。
外からは分かりにくいため、口の中のチェックが大切です。また、歯科治療により食欲が回復するケースも少なくありません。
<慢性腎不全>
高齢猫に多い病気で、徐々に食欲が低下し、体重が減っていきます。
初期には目立った症状が少ないため、「年齢のせい」と見過ごされやすい点が特徴です。
血液検査や尿検査により早期発見が可能で、食事療法や内服治療により進行を緩やかにすることが期待できます。
<リンパ腫などの腫瘍>
消化管に発生するリンパ腫では、軽い食欲不振や体重減少が見られることがあります。軟便が続く場合も注意が必要です。
超音波検査や血液検査を組み合わせ、必要に応じて追加検査を行います。
体重測定とおうちでのモニタリング
体重は、飼い主様がご自宅で確認できる、分かりやすい健康のバロメーターです。見た目では気づきにくい変化も、数字として見ることで、早い段階で異常に気づくことができます。
理想は、月に1回程度の体重測定です。ご自宅の体重計で、飼い主様が抱っこして測り、ご自身の体重を差し引く方法でも十分です。
また、体重の変化には以下のようなパターンがあります。
・短期間で急に減っている
・ゆっくりではあるものの、減少が続いている
どちらの場合も、受診を検討する大切なサインです。「多少の変化だから大丈夫」と思わず、異変が続く場合は早めにご相談ください。
あわせて、食事量や飲水量、トイレの回数や尿量なども簡単に記録しておくと、診察時の重要な情報になります。
体重減少がみられたときの検査と治療の考え方
原因を見極めるためには、血液検査を中心とした全身スクリーニングが重要です。
血糖値、腎機能、甲状腺ホルモンなどを評価し、必要に応じて超音波検査などの画像診断を組み合わせます。病気が特定できれば、内科治療や食事管理、継続的なモニタリングを行いながら、その子に合った治療方針を立てていきます。
なお、当院では一般内科診療はもちろん、幅広い診療科の知見を活かしながら総合的に診断を行っています。体重減少の背景にある原因を丁寧に探り、早期発見・早期対応につなげる体制を整えています。
まとめ
猫の体重減少は、「元気だから大丈夫」と様子見で終わらせてはいけないサインです。
まずは食欲の有無で整理し「食べているのに痩せるのか」「食欲不振で痩せているのか」を確認してみましょう。
また、早期発見・早期対応は、治療の選択肢を広げ、猫の体への負担を軽くすることにつながります。少しでも気になる変化がありましたら、どうぞお早めにご相談ください。大切な愛猫の健康を守るために、私たちが全力でサポートいたします。
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埼玉県川口市・さいたま市(浦和区)・越谷市を中心に診療を行う
森田動物医療センター
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