血液検査でアルブミンが低いと言われたら

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血液検査の項目の一つに「アルブミン」があります。このアルブミンが下がる病気(低アルブミン血症)はいくつかあります。一見すると元気そうに見えても、体の中では病気が進行している場合があるため、症状が出るまで気が付かず見過ごされやすい病気です。

 

早期に治療介入することで、重症化を防ぐことができたり、コントロールすることができたりすることもあります。今回は、犬の低アルブミン血症を発症する病気について、症状や治療をまじえて解説します。

 

血液検査でアルブミンが低いと言われたら

 

■目次
1.アルブミンとは?
2.低アルブミン血症が進行するとどうなるの?
3.低アルブミン血症を引き起こす病気とは?
4.まとめ

 

アルブミンとは?

アルブミンとは、肝臓で作られるたんぱく質です。低アルブミン血症とは、このアルブミンが低下することを指します。アルブミンが下がる原因は、大きく分けて次の二つです。

 

①肝臓でアルブミンが産生できなくなっている
②アルブミンが腎臓や腸から漏れ出ている

 

そのため、低アルブミン血症の原因によって治療方針が大きく異なります。

 

低アルブミン血症が進行するとどうなるの?

血管内にアルブミンがあることで、血管内に水分をとどめる力(膠質浸透圧)が維持されています。そのためアルブミンが重度に少なくなると、血管に水分をとどめることができなくなり、腹水がたまります。腹水とは、お腹の中のスペース(腹腔)に体液が異常にたまることです。

 

腹水がたまると、見た目としてお腹がパンパンに膨れ上がります。また、お腹の内側から圧迫されることで呼吸が早くなったり、食欲がなくなったり、活動性も低下したりします。

 

また、低アルブミン血症の原因となる病気によっては、血栓ができやすくなることもあります。他にも、麻酔薬が効きやすくなってしまったり、手術の傷の治りが悪くなったりといった影響があります。

 

低アルブミン血症を引き起こす病気とは?

犬の低アルブミン血症を引き起こす病気として、以下のものがあります。

 

・肝臓疾患
・蛋白喪失性腎症
・蛋白喪失性腸症
・アジソン病

 

これらの病気について、簡単に説明していきます。

 

<肝臓疾患>

低アルブミン血症を起こす理由は、肝臓がアルブミンを産生できないほどのダメージ(肝臓機能の7〜8割の低下)を受けているためです。門脈体循環シャントや重度の肝炎(肝硬変)などの肝臓疾患から起こることがあり、肝臓の疾患に対する治療が重要になります。

 

<蛋白喪失性腎症>

腎臓で作られる尿の中に、たんぱくが漏れ出てしまう病気です。正常の場合、尿の中にたんぱくは出てきません。尿の中にたんぱく質がどれくらい漏れ出ているかを確認するためには、UPC(尿蛋白/クレアチニン比)という検査が追加で必要です。

 

たんぱくが尿中に出てくる原因として、糸球体疾患があります。さらに糸球体疾患の原因には感染症・炎症性疾患・腫瘍性疾患・高脂血症・薬剤があるため、原因の鑑別が重要です。他にも、全身性高血圧が関わることもあります。

 

蛋白喪失性腎症では、慢性腎臓病(慢性腎不全)や急性腎障害(急性腎不全)と同様の病態を起こすことがあり、それらの治療が必要になることもあります。標準治療は、蛋白尿を減らすためのお薬の開始と、腎臓療法食への変更です。さらに、糸球体疾患の種類や原因ごとに追加の治療が必要になります。

 

<蛋白喪失性腸症>

蛋白喪失性腸症とは、たんぱく質が腸管から漏れ出てしまう病気です。この病気の主な基礎疾患として、腸リンパ管拡張症があります。腸リンパ管拡張症とは、リンパ管が閉塞したり破綻したりして、小腸からリンパ液が漏れ出る病気です。リンパ液の中にはたんぱく質・アルブミンが含まれており、症状として胸水や腹水の貯留・下痢・体重減少がみられます。

 

腸リンパ管拡張症は、腸炎やリンパ腫に伴って起こる二次的なものが多いです。そのため正確な診断には、消化管内視鏡を用いて粘膜の細胞を採取する粘膜生検が必要になります。

 

治療については、原因になっている疾患の治療に加え、食事療法が重要になります。食事は低脂肪食を用い、低脂肪食でも治療反応が乏しい場合は超低脂肪食を用います。超低脂肪食のみでは栄養バランスの管理が難しいことがあるため、状態次第でサプリメントなどの補助食品を一緒に用いることもあります。食事療法以外にも、腸の炎症を抑えるためにステロイドの内服を用いることもあります。

 

<アジソン病>

アジソン病とは、副腎皮質からホルモンの分泌が不足する病気で、副腎皮質機能低下症ともいいます。副腎皮質からは、グルココルチコイドとミネラルコルチコイドというホルモンが分泌されます。アジソン病では、グルココルチコイドとミネラルコルチコイドの両方が不足します。また類似の疾患として、グルココルチコイドのみが不足する非定型アジソン病があります。

 

症状として、元気消失・食欲低下・下痢・嘔吐がみられます。症状が進行すると「アジソンクリーゼ」という命にかかわる状態に陥ります。

 

アジソン病の場合、血液検査で低ナトリウム血症・高カリウム血症・高窒素血症・低アルブミン血症・低血糖・高カルシウム血症・低コレステロール血症・CRPの高値を認めます。非定型アジソン病では、低アルブミン血症・低血糖・高カルシウム血症・低コレステロール血症・CRPの高値を認めます。

 

診断には、腹部超音波検査による副腎の確認と、ホルモン検査であるACTH刺激試験が必要です。治療方法は、内服薬でのホルモン補充療法になります。治療を開始した後も、お薬の用量に過不足がないか継続的にチェックすることが大切です。

 

まとめ

低アルブミン血症の原因には、さまざまな病気があります。そのため、原因にあった治療を行うことが大切です。

 

症状が出ていなくてもアルブミンだけが低下していることもあり、進行する前に病気に気が付けることもあります。そのため、定期的な健康診断が病気の早期発見につながります。また、日常の中の小さな変化に気づいたり、違和感がある段階で相談したりすることも大切です。

 

当院では、それぞれの犬の状態に合わせて、検査や治療方法をご提案しています。気になる症状が見られた場合は、お気軽にご相談ください。

 

 

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